1年が過ぎても・・【やまゆり園の事件に思うこと】3

相模原事件から、もう1年が経ってしまいました。
テレビでもたくさんの特集が組まれ「事件を風化させない」という発信もありましたが、私はマスコミが本当にそう思ってるのかどうか疑問に思っています。何故なら昨年の年末に各局が放送した重大ニュースの中で、相模原事件を取り上げたテレビ局が皆無だったからです。
無差別殺人で19人もの人が殺されていたら、間違いなくたくさんの時間を割いて放送していたことでしょう。マスコミは、この事件に対して、異例な対応をしているのです。

私はその理由は被害者が障害者であったことと、匿名であったことが理由なのではと思っています。

 

 

障害者が家族にいたとしても、国の障害施策や社会的に話題になったことは、障害の告知をされた時点での情報しか知らないことは多いと思います。それ以前の話は興味をもって調べたり聞いたりしない限りはわからないです。国の施策の歴史といっても教科書に載っている訳ではないですし、ごく狭い社会の中だけの人が知っている情報です。現在子育て中の障害児の保護者などは、知らないことが当然でしょう。

 

やまゆり園が、何故必要だったのかという歴史を、このハートネットの第1回の特集では描かれていました。

 

今回、様々な特集で気になったことは、施設と地域で、対立している構図があるような切り口で報道していた番組が多かった事です。

私はこの問題は、どちらが正しいという事はないと思います。

大事なのは当事者の希望であり、そしてこの当事者の中には、保護者も含まれていると思っています。それだと保護者が当事者の希望を握り潰すと批判する方がおられるでしょうが、そういう方には、それではあなたは障害者の全責任を負う覚悟があるのかと問いたいです。

 

日本という国は、家族という単位で様々な責任を負わされます。障害がある子が生まれると、家族や親戚など、一族に大きな問題になります。だから昔は隠して育てたケースも多々あったようです。

隠さないと一族の仕事に支障がでるケースなどもあったのでしょう。

 

障害でなくても、差別区別をすることで社会を取り繕ってきたのが、日本という国です。

 

 

差別をずっと育み続けた日本という国で、突然差別をやめましょうとなっても、それはなかなか難しいことです。そしてもし将来、差別がなくなった社会になったとしても、今まで差別を受けていた側の人の中には、差別がない社会をすんなりと受け止められない人も存在すると思います。

 

230829-16.pdf

東京都障害者施策推進協議会専門部会(第 2 回)平成 23 年 8 月.29 日 コンセプトペーパー 東京都退院促進事業の活動実践をふまえた今後の方向性に関しての意見 地域生活支援センターMOTA 宮本 めぐみ

2017/08/02 11:18

 

 

障害者を隠さず、地域で生活すれば、社会の認知が進む→正しい

障害者を隠さないと、仕事に支障をきたす。介護できる人がいないから、施設しかない→間違ってる?

結局、正解はないんです。それまでの経緯や家庭の事情などを丸ごと考慮して、選択すればいいのだと思います。施設も地域もどっちもあっていいと思います。どちらの居場所も必要な人がおられます。

 

我が家の場合は、息子は地域で生活して、私がいつでも顔を見に行けたらいいなとは思いますが。でもそれが息子にとって良いのかどうかは、また別な話だと思います。それに障害が重度の息子にとって、息子の希望が全て息子の為になるという事でもないと思います。

自閉症にとっては、都会は大変な面も多々あり(人が多い、騒音など)、施設の静かな環境のほうが落ち着いて生活できる人もいます。

生まれ育った街から施設に行かせるのは可哀想という話は聞きますけど、自分に合った環境と巡り会っても、引越できなくて可哀想という話はあまり聞きません。それに障害者の引越には、様々な問題があります。

 

理由はざっくり言うと、地域格差がものすごくあるからです。

療育手帳マイナンバーとの紐つけすら、どうなる事やらの現状です。

 

事 務 連 絡 平成27年7月10日 都道府県 各 療育手帳事務担当課 御中 指定都市 厚生労働省社会・援護局 障害保健福祉部企画課 療育手帳の情報のマイナンバー利用に関する意向調査等の

療育手帳の情報 のマイナンバー利用に関する意向調査 等の実施について

2017/06/11 08:33

 

 

今後どうなっていくのか、とても不安です。