藤井風が稀代のアーティストである事は既に確定されてる状況で、素人の私がどうこう言うのもなんなんだが(笑)
一度全部整理しておきたいので、いろいろ書き留めておこうと思います。
彼を最初に知ったのは、伊集院さんの深夜の馬鹿力で流れた「優しさ」を聞いたのが最初でした。FMラジオは全く聞かなくなっていたので、新しいアーティストを知るのは、テレビの音楽番組が主なので、それまで全く知りませんでした。
ただ一瞬聞いただけで、なんだこれ?と思い、ラジオを止めてSpotifyにある曲を全部聞き、即座にCDを購入する事を決めていました。
新品のCDを購入する事は滅多にない事なので、私の中では大事件でした。
その後、You Tubeにアップしてある動画を見て、またしてもいろんな驚きがありました。そして思ったのです。
ああ、この人は「のだめ」だと……
いろんなところがはみ出していて規格には収まらない。そして彼の中に、ものすごく魅力的なものが散りばめられている。
完全に千秋の気持ちになって見てしまった
……これは大変だぞーって。
MUSICAのインタビューを読んでみると、勉強もピアノも全て父親が毎日付き添っていたという話。読んでいてなんとなく盆栽育ててるみたいな印象を受けました。毎日毎日観察しまくって、必要なだけ水を与え、たまにちょっと剪定する。
まあ本来子育てって、そういうものじゃないかと思います。
でもこんなの誰にでも出来る事じゃないっすよ!尊敬してしまいます。
彼の人柄や音楽への姿勢などは、家庭で大事に育まれてきたものがあっての結果なのだと。
それにしても藤井風で何が驚いたかって……
初のテレビ出演が報ステ(音楽番組じゃない)
初武道館で、新曲を2曲も出してきた事。
初楽曲提供がMISIA。
突然NHKで特集される。
しかもSONGSではなく、ゴールデン枠の NHK MUSIC SPECIAL
音楽番組初出演が紅白。
しかもメドレーで2曲という人は、今までいたかもしれないけど、MISIAと共演して実質3曲というのは前代未聞の筈。
そのまま一切既存の音楽番組には出演してない状況で冠番組をやり、コントにまで参加。
そしてテレビ初のカヴァーが、お見送り芸人しんいちのネタ……
国策映画の音楽を担当(これについては後で書きます)
斜め上にも程がある……
というか、斜め上角度が鋭角すぎる。もう意味が分かんない。
1番凄いなと感じたのがデビューしてから、ピアノが明らかに変わってきていて。
うまくなってるというのもあるのですが、明確にプロ意識が出てきてるようで
あっ、飛び出しちゃったみたいなのが格段に減ってきている。
よくよく考えると、彼はデビューしてまだ2年なんですよっ!
こんなに早く成長できるもんなのか?
全てが規格外、想定外。
ただひとつだけ気になってる事はあって。
ピアノの弾き語りとバンドでの演奏、この落差。
CD発売する為には、バンドでの演奏がやはり必要。でもピアノの弾き語りを聞いてしまうと、こっちのほうが良くないか?って思ってしまう事がある。
特にリズムのとり方やコードが、かなり独特?
しかしちょっと聞いただけではそれが見えない
それだけ、彼のビアノの弾き語りは別格な印象を受ける。
そこに、弾き語りホールツアーですと?
これは行きたい!と思い、抽選に申し込んだら一発で当選?
達郎さんのライブなんか、40年、未だに一度も当選した事ないのに(笑)
と狐につままれた気持ちで、ライブを見に行きました。
最初はニューアルバムのカヴァー集から。
あとは持ち曲と、リクエストコーナー。
当日リクエストされたものからセレクトしていくので、当然完成度は高くないのですが、どうやらリクエストコーナーのほうが、集中度がアップするようで。
え?今の何?
もう1回巻き戻して確認させてっ!
という事は何度かありました。
オリジナルではさほど大きく変わる事はないようですが、多分日によっていろいろ変わる人なのかもしれないです。
そういう点では、藤井風の弾き語りライブは一期一会なのかも。
ただ全体的にムラッ気があったり注意力散漫な所も見受けられました。多分コロナの後遺症があったのだと思われます。
もう少しゆっくりお休みが取れればよかったのでしょうが、諸々難しかったのだと思いますが。
実は私がこのライブで聞きたかったのは、「まつり」とオリンピックの主題歌として作られた曲だったのですが、まつりはオケで、オリンピックの曲はセトリに入っていませんでした。それはちょっと残念でした。
まつりの弾き語り、いつか聞きたい。
オリンピックの主題歌は、一瞬聞いただけで魅力的な曲だと感じました。
私自身は今でもオリンピックには反対しているし、映画に関してはまだ見てないので判断はできないです。
しかし音楽などの作品とその他の事は分けて考えるべきたと思っています。
例えば、私はフランク・シナトラが大好きですが、彼が晩年、南アフリカのサンシティで唄っていた事(アパルトヘイト問題)は、容認できる事ではないと思っていました。
しかしそれで、彼の音楽自体の存在が変わる訳ではない。
だから曲に自信をもっているのであれば、堂々と作品として発表して欲しいと思っています。その時にはいろいろ言われる事はあるかもしれないけど、何十年も経てば残るのは音楽だけです。
そして、未来の人は純粋に音楽のみを評価してくれます。
今のCITY POP人気を見てて、それを強烈に実感してるアラ還です。
最後に若い方に。
誰かを応援するという事は、それが自分にはね返り、曲やメッセージに応援されるという事です。そしてそれが同世代のアーティストなら、年齢を経てもずっと青春を一緒に歩き続けていけます。
流行っているとかではなく、自分の心の中で本当に好きだと思える同世代のアーティストを見つけて、是非一緒に歩んで下さい。
アラ還の私には、50代になった藤井風を見る事は難しい
だから今はできるだけ長生きしたいなと思いはじているのですが。