M-1、キングオブコントなどのお笑い賞レースについて思う事
【この文章は、去年から書こうと思っていたものであって、松本人志さんの案件とは直接の関係はありません。】
時代が音を立てて変わり始めたようです。
2023年のM−1チャンピオンの令和ロマンは、明らかに今までの芸人とは違う新しい感覚を持ってるコンビのようです。
勝負の世界で勝ちにこだわると同時に、俯瞰の視点も持ち合わせいる。いや確かにこれは芸人なら誰もが持っている視点ではあるが、それを年1回の大舞台に優勝した後に明確に発言したというのが、時代が変わったと感じた訳で。
https://news.mynavi.jp/article/20231226-2850771/
M-1グランプリは、テレビを見ないと言われてる昨今では脅威の高視聴率を叩き出す、もはや国民的コンテンツになっているともいえる。
それは誰が優勝するかは予測が難しく、そして一夜にしてスター誕生的な起こるイベントになっているからなのだと。特に笑神籤導入以降は、まさに神様に選ばれた人が優勝する感じになっている。
そして優勝しなくても知名度が一気にあがるケースも増えてきている。噂によると、M-1は3回戦あたりから面白いコンビにはオファーが舞い込むケースが多いらしい。M-1予選のYouTubeは、青田買いの場になってるんだろう。
しかし同じ賞レースでも、キングオブコントになると、コント師への注目度はM-1までの盛り上がりまでは至っていない。それはキングオブコントには敗者復活とYouTubeがないからなのではと思う。
確かに漫才とコントは違う。
漫才は同じネタでも日によって違うものになる事もあるが、コントは出来上がったネタはそこで完成されたものなので、YouTubeに公開した時点でネタバレになってしまう事になる。
要は漫才とコントは、客の立ち位置が違うんじゃないかと。漫才はお客の様子や空気を見ながら、お客の中には入っていく。しかしコントは逆で、客の顔を見て事前にネタを変える事はあっても、ネタの内容は変えず、自分の世界にお客を引き込む。
だから客が芸人の作る世界に合う合わないと感じるのがどうしても漫才よりも大きくなる気がしている。
前回のキングオブコントの準決勝のメンバーを見て、こんなにハイレベルなコント師が一気に集まるライブはありえないだろと驚愕した。
キングオブコントの決勝はテレビ番組なので、視聴者が見て分かりやすいとか、多様な芸風のコンビが選ばれるのは仕方がない事だと思う。でもあれだけの実力がある芸人達が、決勝にいけないだけで全く日が当たらないのは、どうなんだよと!
M-1なら決勝いかなくても、YouTubeなどでファンになる人が増えるかもしれんのに、キングオブコントにはそのチャンスがない。
それにずっと気になってる事がある。
M-1グランプリもキングオブコントも、賞レースの予選は全てチケット販売されており、しかも配信までやっている。そしてそのお笑いの賞レースのほとんどの胴元は、吉本興業である。
ちなみにキングオブコントの配信、私は悩みに悩んで購入しなかった。
あれだけの芸人達が登場していて、配信料4000円は高くないと思う。しかしこの配信料は準決勝に出演した芸人達の懐に入らないのではないか?
というか、芸人達はみんなエントリー料を払っているのに、キングオブコントは特に決勝にたどり着かなければ、何も残らない?
おかしくないか?と思い、購入を断念した。
芸人達の手元に届かない、ただ吉本興業が儲かるお金は払いたくないと思った。
新しい感性をもったチャンピオンが登場したのだから、吉本興業も新しいスタイルに変わって欲しいと思う。 例えば賞レースは吉本興業の中ではなく、別機関として外部で運営するとか。
入場料や配信料などで運営。その中から運営料金として吉本興業に支払うという形にして欲しい。例えその運営料が今までかかった金額と同額であったとしても、可視化するのが重要。
何故なら吉本興業は上場していないので、在阪5社在京5社の株主という、ジャニーズや宝塚のように忖度案件を疑われる状況になっている。
だからまずは賞レースをブラックボックスから出して欲しい。
そして多様なお笑いを、業界全体で協力して育てていけるような仕組みを是非作って欲しい。