保毛男ちゃん・・・かくも難しく面白い、日本のお笑いについて
とんねるずの特番で、久しぶりに保毛男ちゃんが登場した後、この件での様々な意見が飛び交っています。
差別か差別でないかは、捉える側のほうの問題なので、今の世の中では笑えないというのであれば、それは当然の事だと思います。
という前提の上、私個人がどう感じていたかを書こうと思います。
このキャラクターが放送されたのは、レギュラーになって以降ではないかと思うので、1988~1997の約10年の間だと思われます。私は30歳前後の年齢でしたが、特に気持ち悪いと思ったことはありませんでした。というより、当初は保毛男ちゃんは愛されキャラだった記憶があるのです。
保毛尾田保毛男 とは【ピクシブ百科事典】 #pixpedia #pixiv https://t.co/JcqSv1tt95
— ひいろ(こんな人たち&頭の乏しい人) (@hii1701) 2017年10月11日
wikiにも掲載がないし、youtubeにも動画がないので、私の記憶だけの話ですが、友人と話をするときも、保毛男と呼び捨てにされることはなかったんです。それは岸田今日子さんが姉という配役で、保毛男ちゃんと呼んでいたからだと思います。そしてこのふたりの掛け合いがとても面白かったのです。その後、人気が出すぎてキャラが変わっていったのですが、それはいまいち面白くなかった覚えが(笑)
きっとこの件に関しては、今後レギュラー放送の中でとんねるずなりの意見が見られるのでは思っていますが、その前にEテレがやってくれました。
ほんっと、最近のEテレの攻めの姿勢には頭が下がりますわ
【放送開始】
— NHKハートネット (@nhk_heart) 2017年10月11日
『ハートネットTV:B面談義 LIVE』。千原ジュニアさんと濃過ぎるコメンテーターが、ちまたの話題についてエッジのきいた談義をするB面談義。第三弾は「“マイノリティ”と笑い」について語り合います #NHK #千原ジュニア #B面談義
この番組でのブルボンヌさんの発言が、まさに私が感じた印象でした。そしてこの番組の中に出た意見で「謝るだけで、話し合うことを、おしまいにしないで」という意見は、全く同じ事を爆笑問題の太田さんもラジオで言っていました。
フジの社長の謝罪会見があまりにも早すぎて、ちゃんと自分の頭で考えていない。ただ謝罪すればいいと思っていると。もっと考えて、話合うべきじゃないのかと。私もその通りだと思いました。
実は今回の件で、私はあるコントを思いだしました。それはシソンヌの「のぼるくん」というキャラが登場するコントです。
のぼるくんという人はお話しが上手ではなく、商店街におたのしみくじの抽選をしに行くという設定コントです。私は当初は何も感じていなかったのですが、その後のぼるくんのコントはテレビで放送しなくなっていきました。どうやら知的障害を馬鹿にしたコントという事になったようです。私、その時初めて気づいたんです・・・をぃ。我が家には、のぼるくんよりも、もーっと重度の息子がいるので、私自身は特に何も感じずに笑って見てたんですね(笑)
その件があってから再度このコントを見てみると、私が何故このコントを見て不快感を感じなかったのか、理由がわかりました。
シソンヌというコンビは、ネタは全てじろうさんが作っているのですが、相方の長谷川さんには奇抜な髪型にはしないで欲しいとう注文だけしているそうです。それはツッコミの長谷川さんがニュートラルであればあるほど、じろうさんの変わったキャラクターが生きてくるからなのだそうです。
確かにこのコントを長谷川さんのほうに注目して見ていると、彼は「めんどせーのがきたぞ」とは言うけど、のぼるくんの事は排除しない。というか、その場のルールさえ守ればそれ以外は全て不問という、確かにとてもニュートラルな関わりなんですね。あ〜、そうか。私は息子が街に出たとき、こういう風に関わってもらうと楽だと思ってるんだと。だから不快感をもたなかったのだと思います。
お笑いは捉え方が人それぞれ違うので、正解も不正解もないのものだと、個人的には思っています。世相に強く影響されるものも多いので、基本消えていく芸能でしょうし。
しかしだからこそ、お笑いは面白いのです。日本のお笑いの多様性はとても素晴らしいものだと思います。好きな笑いを好きな人が楽しむ。Eテレでジュニアさんが言っておられたように、芸人は誰かを傷つけようとしてやってる人など、いないと思います。
とんねるずは、彼らなりのアンサーを、いつかきっと出してくれると思います。焦らずに考えてやってほしいです。
その時に、できれば岸田今日子さんとの掛け合いシーンは見たいかな・・・というのは、お笑いヲタの密かな願いです。