はみだしっ子を発達障害の視点で再読する 2
「階段のむこうには」
グレアムが家を出るまでの経緯。
父親は有名なピアニスト。
とにかく、相手が自分の思い通りにならない事を絶対に許さない。相手の気持ちや事情はお構いなしである。
特に家族に対しての要求は度を越えており、怒りにまかせて暴力をふるうことを何とも思わない。
その仕打ちに耐え切れず、母親はグレアムを置きざりにして男性と出奔。
その後、隣に住んでいた母親の兄夫婦が、母親がいないグレアムを可愛がっていたが・・
ここからの話は、いろいろと複雑なので割愛。
グレアムの父親は、はみだしっ子の中でも最低最悪な親だと思う。
ピアノの才能があったので、とにかくピアノだけ頑張ったが、人間的に欠落したものはそのまま放置されてしまった。
飛びぬけた才能を持ってる人は、いろいろと欠落している部分は多いという事はありがち。
グレアムは、父親からの暴力で怪我をし、右目が見えない。
あとストーリー上、マックスの父親からの虐待も語られている。
【キーワード】
父親からの暴力
母親から捨てられる
愛着形成
愛する人の死
自分が幸せになることへの罪悪感
あとマックスが、父親から虐待を受けていたことも、簡単に書かれている。
「レッツ・ダンス・オン」
ジョンという男の部屋に転がりこみ、日々ディスコ通いをするようになる。
マックスが騙されて、犯罪に加担させられてしまう。
音楽の知識も豊富な三原先生の漫画には、音楽の話もかなり多い。
【キーワード】
ディスコ
せつな的
子供を利用する犯罪
「夢をごらん」
雨やどりさせてもらった喫茶店に強引に居座る4人。
マスターはサーニンがなつくくらい、とても優しい男性。
しかし、昔、戦争に行った体験が、今でも彼を苦しませている。
近所の子供たちは、よく理由もわからないのに、隣町同士反目しあってる。
日々の小競り合いが蓄積されてる状態で、マックスがきっかけで小競り合いが起こる。
戦争は、どんなきっかけで起こるのか?まさにそれを見せつけられたようなシ-ン。
この回を教科書に掲載したいくらい。
【キーワード】
戦争に行った兵士
近隣憎悪
集団心理