はみだしっ子を発達障害の視点で再読する 5
「奴らが消えた夜」
前巻から、話は続いていく。
マックスは、とある勘違いで、汽車にただ乗りし逃亡。その後、身元不明な子どもとして、孤児院に連れいかれる。
施設で子供たちを面倒をみているのは、ジャネット。問題児のヴァトゥ。しっかりもののミッジ。おしゃべりなポリーと個性的な子供たちの中で、生活していくことになる。
マックスは元来、人懐っこい性格なので、表面的には施設の生活にはすぐになじんていくのだが、心の中では、グレアム、アンジー、サーニンと離れ離れになってしまった寂しさを、日々抱えて生活していく。孤児院から小学校に通うようになると、トラブルや差別も受ける。
そんな中、優等生タイプのブラッドだけは、マックスたちと分け隔てなく付き合おうとするが、マックスは何故か、ブラッドを頑なに拒否するようになる。原因は、彼を見るとよく似たタイプのグレアムを思い出してしまうから。それだけグレアムに拒否されたことが、マックスは大きな傷として残っていた。
数年後。
エイダの親友、フーちゃんの別荘で生活していたグレアムが復調。アンジーは、マックスを探すことで、グレアムの状態が、また悪くなるかもしれないと不安を感じつつも、マックスを探すのは、グレアムしかできない事とも思い心が揺れる。
結局、一緒にマックスを探すことに。
そしてマックスは、他の3人と離れて孤児院で暮らしていくことで、以前とは違い、人に頼らず自分の考えで行動するようになっていったり、ずっと避けていたブラッドとも、付き合うようになったりしていた。
そして、ブラッドと付き合うようになったことで、疎外感を感じ、何かにつけて問題を起こすヴァドゥを、かばうようになり・・・
そんな状況の時、グレアムはマックスを見つけ出して無事再会。マックスは、グレアムから事件の事などの詳しい事情は聞かず、何のわだかまりもなく許した。
マックスの成長が見て取れるシーン。
でもその後「どうして特急だと高いの?短い時間しか、乗せてくれないくせに・・」とダダこねてたけど(笑)
このエピソードは、発達障害っぽいところではあるけど、正常範囲な印象かなと。
【キーワード】
自立心
孤児院という環境
親に捨てられた傷
孤児院の子どもたちへの、理不尽な差別
幸せになる法則