DORAドラ日記2001⑥ 一生に一度の写真館

(2001.10.10記)

       

息子は、また5才ですが現在年長児です。
という事は、本当は去年七五三をやるはずだったのですが、多動と視覚過敏がひどい息子にとっては「写真館で撮影する」などという事は、想像もできませんでした。

それで去年悩んだ末に「お祝いは1年遅らせて、主人と同じスーツを買って、近所の神社にお参りして写真を撮る」事にしたのです。


そしてそれから一年が経ってしまい、とうとうその季節がやってきてしまいました。

でも、ひとつだけ去年計画していた事を変更になった事があったのです。
私が病気なってしまい、未だに手が震えてしまうので、主人との写真を上手に撮影できないかもしれないのです。


去年に比べて最近の息子は、かなり落ち着いてきています。
できるかどうかは、わからないけど写真館にチャレンジしてもいいかもと思い、以前に療育センターに通う子供たちを親切に撮ってくれる写真館があると聞いていたので、そこを尋ねてみる事にしました。
写真館の人に事情を説明したら、とても親切にしていただいて時間も十分にとってもらえるように配慮してくれました。

 

当日いつものように、息子は特に怖がる様子もありませんでした。
大枚はたいて買ったJプレスのスーツをほめちぎりながら着させて

(ネクタイは付ける時少々嫌がったがすぐ慣れた)
スタジオを入ったら、最初なんか不安気ではあったけど、フラッシュとかで光がでると大喜びっ!・・思ったとおりだわ。

スタジオの光の調節をしている後ろの幕のようなところに何度も突進しやがった。


どうやら、それって光の調節に重要なモノらしくって、撮影をしてくれたご主人がそっちにいくと「ああーっ」って言うのよ。
でも、まぶしいくらい明るいのでとにかく機嫌はよかった。

 

一応家族と一緒のポーズと、できたら本人ひとりのポースを頼んでおいたので
まずは、家族のポーズからの撮影でした。
ここで登場したのが、写真館の奥さん。

写真を撮る時に、カメラのほうを見させようと声をかけるんだけど
声が大きくって、ものすごい誉めるのよ♪上手いのなんのって。


でももちろん息子は立っているのができないので、私と一緒に椅子に座ったり、ひとりで椅子に座ったりしました。
何度も撮影していくうちに

「声をかけられる」→「そっちを向く」→「フラッシュがたかれる」→「誉められる」
・・・なんかすごい事になってきた


最後のほうは、息子、フラッシュがたかれると嬉しくって手をたたいで大喜び!
そういえば撮影する前にご主人が「自閉症ですか?」って聞いてたわ。
私は発達が遅れてるとだけ言ったのだけれど。
療育センターの子供たちをたくさん見ているから、なんとなくわかるのかなあ?
恐るべし!○○写真館!

 

そんなわけで、家族の写真はかなりスムーズに終了し、それからひとりのポースの撮影に入ったのだけど
・・・やっぱりひとりで椅子に座って、しかも笑顔を撮影するなんて事は、並み大抵の事じゃありません。


ほめちぎっていろいろとやったのだけれど、「椅子に座っていなければいけない理由」がわからないのだからそりゃあ仕方がありません。

それで、また後ろの幕のほうに行って怒られるので、どんどん機嫌が悪くなる。
そこでドラパパ一次強化作戦(笑)

お菓子を持ってきたたのだけど案の定効果なし。
あったお菓子を全部食べきってしまい終了。

 

でも、少し腹がふくれたので機嫌はちょっと直る。
そうしたら、ご主人がラムネを出してくれて、それを私がやると少し座ってくれたりした。
もう限界かなぁと思い「まだ使えそうなのは、撮れていませんか?」と聞いたら
「家族のほうは大丈夫ですよ。でも、ひとりほうがねぇ」
今回は「プロに撮影を依頼」しているのだから、私から「もういいです」とは言いにくい。とにかくおまかせしてみようと思った。でもやっぱりなかなか難しい。
とうとう「じゃあ、あと2枚撮っておしまいにしよう」と言ったら、何故か息子ちゃんと座りだした。
・・・そうかぁ、最初からこの手を使えばよかったんだわ。


出来はどうあれ、最後の2枚はちゃんと椅子に座っていました。

本当は我が家は写真館に行くような柄ではないので、多分一生に一度の写真館になるでしょう。まだ写真は出来上がっていないのですが、たとえ出来は悪くっても、記念の写真になった事には違いないと思います。