DORAドラ日記2001② ドラくん、お友達をなでなでする

(2001.06.15記)

       

朝、保育園に行ったとたんに、走っていてお友達とぶつかったらしい。
自閉症の中には「人間関係」が作れない子供たちがいる。社会性の障害というのだか。
息子は生まれつき「人とモノの区別がつかない子」なのだ。

だから人とぶつかってもモノとぶつかったと同じなので、ぶつかった人の事を思いやるという思考回路は存在しません。

だからいつもの息子なら、知らんぶりするか痛いと泣いて保母さんに訴えるかなのだが
この日はなんと「お友達の頭をなでなで」したらしい。
今まで親や先生に言われて、やった事はあったかもしれないが、自発的にしたのは初めてだと思う。

 

息子が2歳くらいの頃は、私がいくら「痛い」といっても、私の身体を踏み台にして平気でよじ登っていました。私が「痛がっている」という事がわからないので。

だから私は「痛い!」と大きな声をだして泣いて痛いところを撫でさせるようにしていた。それが積み重なって最近は「痛い!」というとすぐにやめるし、なでなでもしてくれるようになっていた。

・・でもそれをお友達にできるとは思いませんでした(笑)
親としてはびっくりしたし、嬉しかったのだけど。

 

でもこれができたからといって「人の気持ちを理解する能力」が身についたわけではないのです。ただ単に「人が痛がっているからなでなでした」だけであって、それを学習しただけなのです。しかもこういった普通のこどもなら自然に覚えていく小さい事柄を、ひとつずつ教えていかなければいけないのが
自閉症療育」というものなのです。道はとっても遠いのです。